鉢底石とは?いらないのか、代用可能か徹底解説!

鉢底石とは?いらないのか、代用可能か徹底解説!

家庭菜園やガーデニング、観葉植物の鉢植えをする際、最初の手順となるのが鉢底石を敷き詰める作業です。

では実際に鉢底石にはどんな役割があるのか?本当に必要なものなのでしょうか。

また鉢底石の代用は可能なのでしょうか。詳しく説明していきます。

鉢底石とは

鉢底石とは、”はちぞこいし”と読み、鉢植えの際、土を入れる前に鉢の一番下に軽石や黒曜石等をしきつめていく石のことを指します。

鉢底石の目的としては、以下の3つが挙げられます。

  1. 鉢の通気性を保つため
  2. 水はけを良くするため
  3. 害虫の侵入を防ぐため

使い終わった水をスムーズに排水できなかったり、鉢底からの空気の通気性が悪いと腐敗菌が増え、植物が上手く育たなく、初心者にありがちな根腐れを起こしやすくなってしまいます。

根腐れとは、水はけがスムーズにいかず、根が酸素不足となり植物が弱ってしまうことです。

また植物の天敵である害虫の侵入も許してしまい、結果植物の生育環境には悪いのです。

鉢底石の使い方

では実際に鉢底石はどのように使っていくのでしょうか。手順としては以下の流れになります。

  1. 鉢底ネットを敷く
  2. 鉢底石を敷く

まずは鉢底ネットを敷くところからスタートします。とは言ってもネットがなければ、敷かなくてもさほど問題ありません。鉢底ネットの役割としては、水やり時の土の流出やナメクジなどの害虫の侵入を防ぐ効果があります。

鉢底ネットがない方は、台所のシンク内で使うゴミ受けネットでも代用可能ですよ。

次に鉢底石を敷いていきます。鉢底石の量が多すぎては土の全体の体積が減り、植物が養分不足になりますし、少なすぎても土の流出に繋がってしまいます。目安としては底から2〜3cmくらいがちょうどいいと言われています。深めのプランターであれば、もう少し多めに入れても問題はないですよ。土の水はけ具合を見ながら調節していくのがいいでしょう。

ここまで説明してきてなんですが、もっと植え替え時が楽になる鉢底石の使い方があります。それはネットに鉢底石を入れてしまうことです。これをやれば鉢底ネットはいりませんし、植え替え時にとっても楽なんです。

自分でネットを購入してきて、その中に鉢底石を入れていくのでもいいですが、最近は市販で既にネットに詰めてある鉢底石が売っているので、面倒な人はそれを購入した方が楽ですね。ネットはよっぽどのことがない限り破けませんし、土を除くことも楽ですし、洗って再利用することもできてます。コスパ的には結構高いかと思います。

鉢底石の代用方法

ここまで鉢底石の意味と使い方について説明してきましたが、実際家に鉢底石がない場合はどうするのでしょうか。

石なんてどれも一緒なんて考えている人もいるかも知れませんが、正直、庭や道端に落ちている石を使っても問題はありません。鉢底石の代用として使うことは可能です。

またメジャーな代用方法だと、発泡スチロールを砕いたものを鉢底石の代用として使用する人も多いです。発泡スチロールのメリットはとても軽いことです。大きい鉢に使用したときは全体が軽くなるので、持ち運びが容易になります。

発泡スチロールの大きな特徴として保温性が高いことも挙げられます。保温性が高いため、冬越し等の寒い時期に観葉植物を冷え込みから守ることにも繋がります。

デメリットとしては観葉植物の植え替えをする時の、発泡スチロールの処分が面倒という点でしょう。発泡スチロールの劣化や根が喰い込んでしまうなどの原因で、発泡スチロールがボロボロになってしまうなんてこともあるようです。さらに観葉植物に使っていた用土を別の植物でも再利用しようと思った際、分けることが少々面倒です。

このように代用しても問題はほとんどありませんが、お店で売られている鉢底石は保水性や通気性が高いです。また売られている鉢底石の多くは軽いものがほとんどで、栽培が終わった後でも処理しやすくなっているのです。

ですので効率面や効果の高さでいくと、お店で売られている鉢底石を購入していただく方が安心かと思います。

鉢底石がいらない場合

必要性がいかにもありそうな鉢底石ですが、いらない場合もあります。

いらない場合というのは鉢の種類や生育環境によって変わってきます。

前述したとおり鉢底石の主な役割は、通気性・水はけ・害虫の侵入防止です。鉢によっては、鉢底石がなくても、その役割をはたしているものがあります。

鉢底石がいらなくなる主な理由は以下の通りです。

  1. スリット鉢を利用
  2. 水やりがほぼ必要ない植物
  3. 水はけの良い土を使用

1のスリット鉢というのは、底にある穴が一箇所だけでなく、底の横側にも隙間が空いている鉢のことです。このような鉢の場合は、鉢底石がなくても通気性が保たれるので植物を育てることができます。

エアプランツという植物を聞いたことのある人もいるのではないでしょうか。水やりをあまり必要としないので、最近は観葉植物としても人気があります。そんな水やりがほとんど必要のない植物の場合は、当然通気性や水はけを気にする必要がないので鉢底石はいらなくなります。エアプランツは成長の仕方が他の一般的な植物とは違い、土から養分を吸収するのではなく、他の樹木や岩石などに養生し、葉や根から空気中のわずかな水分を吸収する性質がある植物です。ですので観葉植物初心者の方でも、育てやすい植物となります。

また水はけの良い土というのも、最近は多く販売されるようになりました。「水はけの良い土」というのは、植物が吸収できなかった水分を外に追い出す力のある土のことを指します。

「鉢底石がいらない」という強みをうたった培養土や、保水性や通気性の高い赤玉土、水はけと水もちのバランスが良い鹿沼土、火山岩や珪藻土・真珠岩などが原料で通気性や軽量化されているパーライトなども、鉢底石は必要ありません。

また上記以外にも鉢底石をいらないと主張する方の意見もあるようです。それが以下のような理由になります。

  • 水はけがそれほど良くならない
  • 鉢底石を入れた場所は植物の根張りが悪い
  • 土を入れるスペースが減る

水はけが良いという理由で鉢底石を入れると紹介しましたが、反対派の意見は、実は水はけがそんなに良くならないのではという考えを持っているようです。

あとは鉢底石を入れた場所は、植物の根張りが悪いのではないかという意見です。根張りが悪いと、植物が水や栄養の吸収しにくくなったり、植物自身の体を支えにくくなったりします。

植物の栄養源でもある土を入れるスペースが少なくなるということは、その分植物の成長の阻害ともなってしまうという考えです。

まとめ

観葉植物1つ育てるのにも、鉢底石の知識をしっかりもっておくだけで植物も順調に育ってくれます。

特に初心者にありがちな、水のやりすぎが原因の根腐れの可能性も低めてくれます。植物も大事な生物なので、正しい知識を持って育ててあげることが必要です。

他のガーデニングや観葉植物を育てる際にも使えるテクニックなので、しっかり覚えて植物の生長を楽しんでください。