ポートレート撮影は風景写真とは違って、自分だけで完結しないため、撮影に用意するものや準備は念入りにしないといけません。不手際があると迷惑がかかるのはモデルさんだからです。
また撮影当日もポートレート初心者だとあたふたしてしまうので、しっかりとしたスケジューリングと下準備が大事になってきます。
今回は下記のようなシチュエーションを想定した、準備内容を紹介していこうと思います。
- 撮影場所は屋外
- 初めてのポートレート撮影
- 初めて会うモデルさん
撮影準備1.機材の用意
まずはなんと言っても撮影当日に使用する撮影機材の用意です。これが無くては話が始まりませんし、機材トラブルや忘れてしまったなんてことにならないよう、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
必要な機材は下記になります。
- カメラ本体
- 交換用レンズ
- SDカード
- カメラのバッテリー
- ストロボ
まずは当然ですがカメラ本体と交換レンズですね。撮影場所によっても変わってきますが、50mm〜100mmの焦点距離のレンズがあればポートレート撮影は問題ないかと思います。最初は不安だという方は、ズームレンズでも良いかもしれません。
SDカードですが、意外とレタッチ後にそのままで本体には入れていなかったというケースが多いようです。プロカメラマンでもあることなので、こういった防げるミスには注意しておきましょう。いざ撮影しようとなった時にSDカードがないと想像するだけで冷や汗モノです。。
次にカメラのバッテリーです。これは予備バッテリーのことですね。撮影時間にもよりますが、基本的には余裕を持って予備バッテリーは1つ購入しておいた方が良いでしょう。撮影が長引いたり機材トラブルでカメラが使えなくなっては立ち尽くすしかありませんからね。少々値段はしますが、撮影できなかった時のリスクを考えれば安いものです。
最後にストロボです。基本的には自然光で撮影は行っていくことになります。屋外だからいらないのではと感じた方もいるかもしれませんが、屋外でも使用するタイミングはあります。ストロボを使うことで更にクオリティの高い撮影が可能となります。
撮影準備2.ロケハンを行う
ロケハンとはロケーション・ハンティングの略で、撮影場所の下見をして準備(場合によっては場所の確保)をすることです。
このロケハンが実は結構大事で、特に初めて訪れるような不慣れな地へ行くとトラブルがあった時にとても困ります。不安要素としては以下のような内容が挙げられます。
- 天気の変化
- 撮影場所付近の環境
- 機材トラブル
天気はどうしようもないので、いかに事前の対策を立てておくかが重要になってきます。
そもそもどんな天気で撮影をしたいのかというあなたの構想があると思います。仮に晴れの日を想定して予定を立てていたとします。ただ実際当日になってみると、考えていたような自然光の入り方がしていなく、思い通りのライティングができなかったなんてこともあります。
また撮影する時間によっても太陽の位置が違うため、自然光の強さや出したい雰囲気が変わってきます。
ですのでロケハンをしておくことで、何時に行けばどんな強さの光がどの位置から入るという想定がしやすくなります。
あとは当日が想定とは違い大荒れの雨だったときです。全然ありえる状況です。そうなった際にどう動くかという予定も立てておかなければなりません。近くに雨宿りする場所があってそこでも代用可能なのか、それとも雨が降ったら雨の中での撮影に変更するのか、そうなれば必要な機材は何になってくるのかなどです。
撮影場所付近の環境を知っておくことも大事です。周りに人は住んでいるのか、住んでいるのであれば迷惑にならないようにするにはどう撮影を進めていけばいいか。事前にロケハンをしていたからこそわかる情報というのは意外と多いですよ。
最後に機材トラブルです。
上記のような天気の変化や撮影場所でのトラブルを回避する他にも、機材トラブルにも気をつけなければいけません。
危険地帯のような場所に行く場合は、機材を破損から守るアクセサリーが必要です。ロケハンを行っておけばそういった状況も想定できるようになります。
あとは予備バッテリーのように、不測の事態を想定して用意していくようにしましょう。例えば、SDカードが壊れてしまうなんてこともたまにあります。そういったときのために予備のSDカードも持参するとか、カメラボディが壊れてしまったときのためにもう一台予備で持っていくなど、考えられるトラブルは1つずつ潰していきましょう。
撮影準備3.モデルさんとのコミュニケーション
ポートレート撮影の主役でもある、モデルさんとのコミュニケーションもとても大事です。
モデルさんの情報を事前に得られるなら、できる限りリサーチしておきましょう。そして可能であるなら当日までにしっかりコミュニケーションをとっておくことが大切です。
既に様々なポートレート撮影を経験されているモデルさんなら、InstagramやTwitterなどに撮影風景や写真を載せているはずなので、どんな撮影をされてきたのかリサーチします。
そうすることである程度カメラマン側でもシチュエーションが想像しやすくなります。
また撮影前にモデルさんに質問できる環境なら、モデルさんが撮りたい撮影シチュエーションや得意な撮影シーンなどを聞いてみるのも良いでしょう。
あとは他愛もない好きな食べ物・好きなこと・趣味などを知っておくと、当日の撮影もコミュニケーションがスムーズに進みます。というのも当日は無言で撮影をしていくというのはおすすめできません。というより無言での撮影はやめましょう。撮影の前後や撮影中は常に被写体であるモデルさんとのコミュニケーションに、全神経を集中するくらいの気持ちで望むくらいがちょうどいいです。
モデルさんが素敵な笑顔を向けてくれるのは、カメラマンとのコミュニケーションあってのもの。コミュニケーションを取れていないカメラマンに対して、笑顔を振りまいてくれるかどうか微妙なところです。
そんなとても大事なコミュニケーションなので、事前情報としてモデルさんの情報を知っておくと、話のネタや冗談を言い合ったりと撮影中も円滑に進めることができるのです。
まとめ
初めてのポートレート撮影はとても緊張しますし、用意する機材や準備することが多くなり、初心者からすると参入ハードルが高いかと思います。
ただプロとの違いは経験値の違いだけなので、何度もポートレート撮影を重ねていけば慣れていきますし、次第に必要なものや準備することの要領もよくなり苦痛は感じなくなります。
風景写真も楽しいですが、人と一緒に作り上げていくポートレート撮影もわくわくしますし、思っていたとおりのモデルさんの笑顔や写真が出来上がればとてもテンションが上りますよ!
是非撮影技術や経験を積んでポートレート撮影を更に楽しんでください。