デジタルカメラの画素数とは何を意味するのかわかりやすく解説

コンデジや一眼レフ、ミラーレスなどのデジタルカメラを初めて購入する際、最初に画素数を気にする人は多いのではないでしょうか。

カメラメーカーがこぞって、CMやメディアで画素数の高め争いをしている中で、それを観た消費者は当然「画素数がカメラを選ぶ上で一番重要」と錯覚してきます。もちろん画素数も大事ですが、画素数が高いから綺麗な写真が撮れるかと言われれば違います。

画質に関しては、以下のイメージセンサーの記事がわかりやすくなっています。

実はまだ知らないカメラのイメージセンサーとは?仕組みやサイズによる違いも解説

デジタルカメラにおける画素数とは何を意味していて、どういった違いがあるのか、カメラ初心者にもわかりやすく紹介してきます。

デジタルカメラにおける画素数とは

デジタル写真は点の集まりでできています。画素数とはその写真を構成する点の数のことです。

画素がどんなものか見たい人は、Web上で適当に写真や画像を見つけて拡大してみてください。ある程度拡大していくと、四角い色の形をしたものがいくつも連なっていて1つの写真や画像になっているのがわかるかと思います。

よく一眼レフカメラの宣伝文句で「有効画素数3040万画素」などと見るかと思いますが、これは単純に画面の中にある四角の個数のことを表しているだけなのです。仕組みを知ってしまうと意外とイメージつきやすいですよね。

ここで疑問が出てくるかと思います。「有効画素数」ってなんでしょうか?通常の画素数とは違うのでしょうか。

画素数には以下の2種類があります。

  • 総画素数
  • 有効画素数

総画素数がここまで紹介してきた画素数のことで、カメラのイメージセンサーに含まれている全体の画素数のことを指します。ただカメラで撮影する際、この画素は全てを使えません。というのもセンサーの構造上、センサーの端っこの方まで光を受け取ることが上手くできないのです。

実際に撮影時に使うことになる画素数を有効画素数といいます。ですので、有効画素数は必ず総画素数よりも少ない数値となります。

ここまで説明するとわかるかもしれませんが、カメラを選ぶ際は総画素数よりも有効画素数が高い機種を選んだほうが良いです。いくら総画素数が高くても、実際の撮影時の有効画素数が低かったら写真の質は下がってしまいます。

ただここで注意が必要ですが、画素数は高ければ必ずしも良いという訳ではありません。詳しく説明していきますね。

高画素数=高画質は間違い

まず大前提としてお伝えしておくと、カメラの画質を決める大きな要因はレンズとイメージセンサーです。あくまで大きな要因という意味です。カメラの知識を持っていない人が思っている高画素数=高画質という方程式は成り立たないと言えます。

もう少し詳しく知りたい方は、イメージセンサーが画質に影響を与える理由の記事も書いているので参考にしてみてください。

「高画素数=高画質」のイメージが浸透している理由として、冒頭でもお伝えしましたがカメラメーカーの宣伝が影響しています。何かと「高画素」というフレーズを前面に押し出していますよね。カメラ売り場の店員もあまりカメラに詳しくなかったりすると、「画素数が高いのでおすすめです」などと宣伝してくることが多いです。これは完全に「画素数が高いと画質も高い」という消費者の意識を逆手に取っているからなのです。

画素数が高いメリット・デメリット

画素数について紹介していきましたが、では実際に画素数には何のメリットもないのか。そうでもありません。

画素数が高いことで生じるメリット・デメリットを紹介していきます。

以下、画素数が高い時のメリットになります。

  • 解像度の高い写真が撮れる
  • トリミングしても画質がそこまで落ちない
  • 大きなサイズでプリントできる

画素数の意味でも紹介しましたが、写真は点の集まりでできています。つまり画素数が多ければ多いほど、より解像度が高い写真が撮れるのです。写真の細かいところまで鮮明に映し出してくれます。風景写真を撮る際には、解像度が高い機種だと、とても色鮮やかに鮮明に写し出してくれます。

そして解像度が高いということは、トリミングをした際に画質が劣化しにくいという点にも繋がってきます。2000万画素以上であれば、撮影した写真の構図が気に入らなくてトリミングした場合でも、画質をある程度は保つことができるのです。例えば5000万画素の写真を1/4のサイズにトリミングしたとしても、1250万画素の写真になります。1250万画素もあれば見た目的にも十分綺麗です。

そういった意味だと、構図や写真の構成が苦手なカメラ初心者からすると、撮影後にトリミングして構図を変えてみたいとなった時に応用が聞きます。プロになればなるほど、撮影後に大きく変更することはなくなるのでトリミングする場面も少なくなります。そういった意味でも、プロ機のような高価格のカメラ機器では画素数が低かったりします。あまり必要としない機能となるからです。

逆にプロが必要となるという意味で言うと、大きなサイズや紙媒体でプリントしたりする際に写真を引き伸ばしても、高画素ほど綺麗に出力できるというメリットがあります。ポスターや広告などで大きめのプリントが必要なプロカメラマンであれば高画素の方が写真も劣化しにくくなります。

以下、画素数が高い時に生じるデメリットになります。

  • 容量が大きくなる
  • イメージセンサーの大きさ次第で画質が悪くなる
  • 手ブレに弱い

デジタル写真というのは、点(画素)の集まりでできているので、当然点が増えれば増えるだけ写真のサイズは大きくなっていくため、写真一枚の容量も増えてしまうのです。

また、同じサイズの2つのイメージセンサーに対して、画素数が低いものと高いものを比較したとしたら、画素数が高いイメージセンサーの方が画質が落ちてしまいます。イメージセンサーという箱のような受け皿に、たくさんのカラーボール(高画素数)を入れた場合のことを想像してみてください。本来入る余地のない場所にボール(画素)が入ってくるので、ボール(画素)はどんどん詰まっていってしまいます。色が詰まっていくことで黒く塗りつぶされていくイメージです。

そうなると写真全体が暗い状態になってしまい、結果的に画質が落ちてしまうということです。ですので画質の面で考えると、大きいイメージセンサーに関しては低画素数の方が画質は良くなると言えます。

最後のデメリットとして手ブレに弱いという点があります。高画素機になればなるほど、手ブレの影響を受けやすくなってしまいます。それでいうとカメラに慣れていない初心者の方だと少々厳しいのかなと言う部分は感じます。ただ最近ではミラーレスカメラが増えてきており、ボディ内の手ブレ補正機能が充実してきたので、そこらへんの心配は緩和されつつあります。

まとめ

「高画素機=高画質」とは言えませんが、一概にメリットがないとも言えません。どんな撮影をしたいかという部分に関わってくるかと思います。

構図がまだまだ苦手でトリミングを多用したりするようなカメラ初心者や風景撮影が好きな人。また広告関係や紙媒体で写真を出すようなプロカメラマンの方などにも、高画素機は向いているかもしれません。

使う用途によって必要な機能が変わってくるので、自分がどんな写真を撮りたいのかという点を再確認して、画素数について改めて考えてみるのが良いかもしれません。