カメラをはじめた人なら一度は聞くイメージセンサー(撮像素子)。
「フルサイズの画質が良い」くらいの理解で止まっている方も多いかと思います。仕組みやイメージセンサーの違いまでしっかり理解している人は少ないと思います。
そこで今回はイメージセンサーとはなにか。どんな仕組みで、またイメージセンサーの中での違い等を初心者にもわかりやすく紹介していきます。
カメラ搭載のイメージセンサーとは
イメージセンサーは撮像素子や画像センサーなどとも呼ばれています。どれも同じ意味になるので頭で混乱してしまわないように注意しましょう。この記事では統一してイメージセンサーの名称で紹介していきます。
カメラに搭載されている「イメージセンサーとはレンズを通ってきた光を電気信号に変換してくれる半導体素子(部品)のこと」です。と、ここまではどのカメラ関連のブログやサイトでも紹介されている内容かと思います。
ただ「光を電気信号に変換してくれる半導体素子」という言葉自体がいまいちピンとこない方が多数だと思います。僕も同じでした。そのためこの時点で知ろうという意欲が落ちて脱落してしまった人も多いかと思います。
わかりやすく言うと、イメージセンサーは人間の網膜によく例えられます。人間の目は、光が角膜を通過し、光の量を調節する虹彩を通り、最後に水晶体、硝子体を通過すれば網膜に着き映像となります。この映像を映す網膜がイメージセンサーのような役割を持つのです。
イメージセンサーも人間の目と似たように、光がレンズを通りイメージセンサーに映像を映すという仕組みになります。
わかりやすくまとめると、「イメージセンサーとは、レンズを通って入ってきた光をイメージセンサーが受けることで画像を作り出すもの」という意味になります。
イメージセンサーは大きさによって効果が違ってきます。そのイメージセンサーの大きさのことをセンサーサイズと言います。
センサーサイズによる画質の違いと仕組み
最初に結論をお話しておきますが、カメラの画質は、「レンズ」や「イメージセンサーのセンサーサイズ」の違いで決まります。
カメラレンズは一眼レフカメラやミラーレスカメラであれば、レンズ交換が可能なので高いレンズに替えるだけで画質は向上します。ただイメージセンサーは本体に搭載されているものなので容易に交換することができません。ですからカメラ本体の購入時は1番迷わなければいけないタイミングなのです。
レンズに関しては別記事で改めて紹介しますが、このイメージセンサーのセンサーサイズは大きければ大きいほど画質が良いというのはご存知のとおりです。センサーが大きいほど集められる光も多くなるという仕組みがあるためです。
ただセンサーサイズは、画質の向上だけでなく、光を多く集めることができるので、ボケの綺麗な写真が撮れたり、夜景撮影時にも弱い光で綺麗に撮ることができるようになります。また、センサーの面積が大きいため、より広い範囲(画角が広い)を写すこともできます。これらのメリットもある一方、デメリットとしては価格が高かったりカメラボディが重いなどの欠点もあるので合わせて覚えておいてください。
センサーサイズは以下の4種類に分けられます。
- 35mmフルサイズ
- APS-C
- マイクロフォーサーズ
- 1インチ以下
1の35mmフルサイズが最高級画質で、下がるにつれて画質は悪くなっていきます。フルサイズよりも小さいサイズは、フルサイズの大きさまで画面を引き伸ばして写真を作成するため、画質が悪くなるという仕組みです。
厳密にはフルサイズの上に100万円以上する中判フィルムという、業者しか使わないようなものがありますが、デジタルではないのでここでは割愛します。ですので実質フルサイズがトップの画質になります。
当然画質が良くなれば金額も高くなっていきます。そこらへんの違いも合わせて紹介していきます。わかりやすいように35mmフルサイズから紹介していきます。
35mmフルサイズ
デジタルのイメージセンサーの中では1番大きいサイズで、価格もトップクラスになります。高い機種だと100万円するものもあり、まさにプロ仕様と言えるでしょう。現状搭載されている機種は一眼レフカメラとミラーレスカメラのみとなります。
主に中級者のカメラマン(ハイアマチュア)やプロカメラマンが使うようなサイズになります。
ちなみに交換レンズは全てこの35mmフルサイズを基準に設計されています。「35mm」というのはフィルムカメラ時代の35mmフィルムのサイズを意味しています。
数年前までは一眼レフカメラのみ搭載のフルサイズでしたが、ソニーが2013年11月にαシリーズの”α7”と”α7R”のミラーレスカメラに初めてフルサイズを搭載したことで、カメラ市場が激変しました。
詳細については、下記の記事も参考にしてみてください。
APS-C
APS-Cはフルサイズ次に小さいセンサーです。その代わり価格はフルサイズに比べて安価になりますので、平均数万円〜20万円程度で抑えられます。
主に初心者向けのエントリー機や、中級者向けの機種が多いです。
適度に軽く、価格が安く、初心者向けに使いやすい機能が揃っている点を踏まえると、カメラ初心者はAPS-Cのサイズが1番オススメだと言えるでしょう。
マイクロフォーサーズ
マイクロフォーサーズは高級コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)やミラーレスカメラにも搭載されています。センサーサイズは小さいですが、コンパクトに収まるので、初心者や重いカメラを持ちたくない女性にも人気があります。
また料金もAPS-Cより安く、あまり資金に余裕のない人でも手が届きカメラデビューができます。
その「気軽にカメラデビュー」のキッカケを作ったのはオリンパスから発売されているPENシリーズです。宮崎あおいさんのCM起用で一気にカメラ女子が増えましたね。とても可愛い見た目と軽さが人気の秘密だと言えるでしょう。
1インチ以下
みなさんが日常的に使用しているスマートフォンや、ここ数年でトレンドとなっているドローンにも搭載されています。
iPhoneやAndroidなどのスマートフォンに使われているセンサーサイズ1/2.3インチと、フルサイズの面積を比べると実に約33倍もの差があります。いかに小さいセンサーが使われてコンパクト化されているかということがわかります。
面積でいうとAPS-Cの1/3程度になってしまうので、カメラ特有のボケ味や高感度が弱い傾向にあります。カメラを本気でやってみたいという方は、マイクロフォーサーズ以上が必須ではないでしょうか。
まとめ
このようにセンサーサイズと画質の関係は切っても切れない関係になっているのです。
ただセンサーサイズが小さいとデメリットばかりなのかと言われるとそうではありません。むしろ好き好んでセンサーサイズの小さいカメラを選んで使う人もいます。1番は小ささ故のセンサーの軽さです。
センサーが小さければその分重さは軽くなります。そうなるとコンパクトなカメラとなり持ち運びが楽になります。センサーサイズの違いの部分でも記載したように、やはりスマートフォンやコンデジなどはコンパクトで日常的にも使いやすいですよね。ですのでちょっとカメラを始めてみようっていうカメラ初心者の方だったり、重いカメラを持ち歩くのはちょっとという女性にもオススメなサイズのカメラとなるのです。
自分がカメラを使う目的によって、センサーサイズの大きさは検討した方が良いかもしれません。
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