企業が人材を採用する際に必要となるのが雇用契約書です。各社毎に細かい書き方は違いますが、記載しなければならない必須の記載事項があります。
必須の記載事項は労働基準法で定められているので、漏れていたりすると法律違反となります。また労働者とのトラブルになりかねません。
担当の人事はしっかり覚えて理解しておきましょう。
雇用契約書とは?
雇用契約書は、使用者(企業側)と労働者の間で、労働者が労働することを約束し、使用者が労働してもらう対価としてお金を支払うことを約束した書面のことです。
雇用契約書を作成し、労働者に内容を確認してもらい、同意を得て記名押印をしてもらうことで労働者との締結になります。
この両者間の合意が取れていることで、後々のトラブルを避けられることに繋がります。また雇用契約書があることで、労働者側も企業に対して安心感を持てます。
雇用契約書の詳しい内容については、以下の記事にも記載してあるので参考にしてみてください。
雇用契約書で必須の記載事項
雇用契約書の作成時に注意しなければいけないこととして、正社員の場合、以下の必須の記載事項があります。労働基準法施行規則で義務となっています。
- 労働契約の期間
- 就業場所
- 従事する業務内容
- 始業と終業の時刻
- 休憩時間
- 交替制について
- 休日
- 有給休暇
- 賃金
- 退職
重要な部分のみ見ていきます。
1.労働契約の期間
労働期間の定めがあるかについて記載しましょう。期間が定まっていない場合は、「期間の定めなし」と記載します。また試用期間がある場合は、その期間もしっかり記載しましょう。
期間を定める場合は、原則3年までとなります。また契約更新の有無や更新がある場合には、その判断基準も明記しましょう。
2.就業場所 3.従事する業務内容
働く場所の記載と、従事する業務内容ではどのような業務を行ってもらうのかという点について記載しましょう。
また就業場所や業務内容が、雇用後変わる可能性があるのであれば、その旨も記載しておきましょう。
4.始業と終業の時刻
労働時間の始まる時間と終わる時間を記載します。
5.休憩時間
労働時間中に、どのタイミングで休憩を取ることができるのか記載しましょう。
6.交替制について
シフト勤務の場合は、どのような流れで労働するのかを記載しましょう。
7.休日
休日が何曜日になるのかを記載します。年末年始や夏期休などもあれば記載します。
8.有給休暇
有給休暇などの条件を記載します。
9.賃金
賃金の金額と、その賃金が月給制なのかを記載します。もし1日欠勤した場合、その分は日割り計算されるのかを記載します。賃金の支払い方法も記載します。また賃金がいつ支払われるのかということも記載します。
交通費に関しても、実費なのか上限があるのか記載しましょう。
10.退職
労働者が退職する際の手続きや、使用者が労働者を解雇する場合の条件も記載します。
まとめ
ここまで雇用契約書に関する必須の記載事項について紹介してきました。必須事項が記載してあれば全てOKというわけではありません。
最後にはしっかり必須の記載事項で漏れがないか確認しましょう。
また雇用契約書に記載されている情報は、就業規則と相違がないかという点も確認しましょう。もし就業規則との情報に相違があった場合、労働契約法第12条にて、就業規則で定められている基準を下回る労働条件は、無効になると定められています。ですので、しっかり就業規則と情報を合わせることが大事になってきます。
正社員とパート等の雇用契約書では、記載しないといけない必須事項が若干変わってきます。最終確認をしっかりしましょう。