仕事中に上司から「インプットとアウトプットはセットで行おう」なんて言われたことはありませんか?
情報を頭に入れて(インプット)発信(アウトプット)する。この流れがあることで自己成長に繋がっていきます。
ただ、ここには実はもう1つ足りないものがあります。それがスループットです。
スループットを日常的に使えるようになると、日々の仕事や勉強で、自己成長スピードのギアが格段と上がります。
インプットとアウトプットとは。のおさらい
インプットとアウトプットはスキルアップおよび自己成長するための一連の流れで、繰り返し行うことでスキルの定着につながる効果があります。
インプットとは外部から得た情報や体験して感じたものを指します。
その外部から得た情報を、書いたり、話したり、行動して実践していくことがアウトプットになります。
例えば、あなたは読書をしています。本には「朝は夜よりも、6倍も脳が働く」という情報が書かれていました。その情報を頭に入れることがインプットにあたり、その情報を友人に教えるという行動がアウトプットというイメージです。
「インプットとアウトプットはセットで行いましょう」とよく言われる理由としては、人が忘れやすい生き物で、せっかく得た情報もすぐに忘れてしまう特徴があるためです。
アウトプットで頭から外部に出す(発信)ことで、記憶に定着しやすくなるという理由です。
ここまでの話って割とポピュラーでご存知の方も多いと思います。
今回自分が伝えたい本題は、ここからです。
自己成長に重要なスループットとは
スループットとは、情報を得るインプットと情報を発信するアウトプットの中間にあたる部分です。
頭の中にある状態ですよね。この状態を「スループット(throughput)」と呼びます。
スループットは、インプットした情報を自分なりに解釈し変換してアウトプットするまでの「頭の中の変換作業」のことを指します。
料理で考えると簡単です。どんなに美味しい高級食材があっても調理方法を間違えるとマズい食事になってしまうように、ためになる有料級の情報をインプットしたところで、スループットのやり方を間違えていれば、質の低いアウトプットになってしまうということです。
要するに流れとしては、情報を頭に入れるインプット、入れた情報をアウトプットできるように変換する作業のスループット、変換された情報を外に出すアウトプット。ということになります。
先程の読書の例で例えると、
本には「朝は夜よりも、6倍も脳が働く」という情報があり、インプットしました。この情報を自分なりに解釈して変換してみます。
- 朝は夜よりも、6倍も脳が働く
- 同じ1時間でも、夜の1時間より、朝の1時間の仕事の方が6倍生産性が上がる
この過程がスループットです。ではこれを友人に教えてあげたいということで、頭の外に発信するアウトプットへと繋がる訳です。
少しわかりにくいと思うので、このスループットを更に噛み砕いて、頭の中でどんなことが行われているか説明します。
それが「抽象化」と「具体化」の変換作業です。
読書の例だと「朝は夜よりも、6倍も脳が働く」とありましたが、これだとまだ抽象的です。
なんとなくわかるけど、イマイチ実践するにはピンとこない。あまり実践的ではない。
このまま友人へ伝えても良いですが、もう少し友人と共通するテーマに絞って伝えた方が、アウトプットする自身の記憶定着に繋がりますし、聞く友人もわかりやすくなります。
そこで抽象的で曖昧だった内容に対して、テーマを共通言語である「仕事」に絞り、わかりやすくしたのが先程の「同じ1時間でも、夜の1時間より、朝の1時間の仕事の方が6倍生産性が上がる」という変換です。自分にも友人にも共通している「仕事」という共通言語をテーマにしたことで、より伝わりやすくなりました。
- 「朝は夜よりも、6倍も脳が働く」
- 共通言語の「仕事」をテーマに設定
- 仕事を”働く時間”という具体的な事柄に変換
- 「同じ1時間でも、夜の1時間より、朝の1時間の仕事の方が6倍生産性が上がる」
スループットを上手く使いこなすには、この抽象化と具体化の変換がカギになります。
スループット「抽象化と具体化」の日常でできるトレーニング方法
ここまで説明してきたように、抽象化と具体化を上手く使いこなすことこそが、スループットの活用に役立ってきます。
では抽象化と具体化ってどのように鍛えていくのでしょうか。
この記事を読まれている方はスループット自体を初めて聞く方も多いと思います。ここでは日常で簡単にできる、抽象化と具体化のトレーニング方法について紹介していきます。
- 抽象的→具体化
- 具体的→抽象化
この2つについて習慣化できるトレーニング方法を紹介します。
トレーニング1.抽象的→具体化
トレーニング方法は簡単で、普段からランダムで目についた複数のモノの共通点を探すだけです。
例えば、「書籍」と「スマートフォン」だとしたら、
- 情報のインプットが可能
- 読書
- 手軽に持ち運べる
というように2つの共通点を洗い出すだけです。
こうすることで、抽象的な物事から具体的な情報を抽出する習慣が付いていきます。
スループットを行う機会は日常的に多いので、具体化のスピードが早くなればよりアウトプットまでの時間も短縮することができるという訳です。
トレーニング2.具体的→抽象化
相手になにかを説明したい時、抽象化が上手くできていないと相手に正しい情報を伝えられません。
例えば「営業アポのやり方」という情報を伝えたいとします。
NG事例としては、いきなり「150件の顧客リストを作成し、そこから1日●●件の電話をしてほしい」と伝えてしまうと、アポを取ったことのない営業の新人からすると「?」となります。
まずは相手の知識を想定し、知識量に応じて、必要であればもっと大きな範囲から説明が必要です。
- 営業アポをしたことある?
- 顧客リストって知ってる?
などです。
前置きが長くなりましたが、トレーニング方法として、情報を伝える際「相手の状況を考える」ということを最優先で考えてみましょう。
その上で、相手の情報量が全然ない状態ならここから。少しあるならここから。というように、抽象度を調整する習慣をつけていきます。
そうすることで抽象化するスピードも早くなり、スループットも効率よく変換できるようになります。
まとめ
ここまでをまとめると、スループット(いわゆる抽象化と具体化の変換作業)が上手くできるようになると、自分の本質的な理解度や、記憶への定着度が格段に上がります。
どんなに優良な情報や素晴らしい経験をしたとしても、頭での解釈や整理方法を間違えるだけで、情報を100%活かしきれなくなってしまうというのはとてももったいないことです。
ちなみに、この考え方ができるようになると、「趣味で得た経験を仕事に活かし」「仕事で得た経験を趣味に活かす」なんてことも上達になるので、一石二鳥以上の効果が期待できます。
仕事だけでなくプライベートでも使えるようになる、とても大事な思考になるので、是非習慣にしてみてください。