最近よく聞くインデックス投資。
詳しくは本文で紹介しますが、インデックス投資とは特定の株価指数(インデックス)に沿って少額から始められる投資信託のことです。
少額で始められ、他の投資よりも低リスクで運用できる点から、投資初心者に爆発的な人気となっています。
投資知識0の方でも理解できるよう、わかりやすく紹介していきます。
インデックス投資の利用急増の立役者は政府とYoutuber
近年、インデックス投資の利用者が急増しています。ただの流行として急増しているわけではなく、明確な根拠があります。
少子高齢化が進み、今の若い世代は、将来的に年金を受給できるのかという年金問題からくる老後資金の不安があるからです。
長く生きられることは嬉しいことですが、反面お金もその分必要になってくる事実もあります。
そういった不安要素に対し、政府が打ち出した施策やYoutuberの流行が、投資に興味をもたせ、はたまたインデックス投資に興味を持つ若者が増えている理由です。
政府の打ち立てた「つみたてNISA」
政府は2018年1月に「つみたてNISA」という制度を打ち立てました。
つみたてNISAについてわかりやすく説明すると、つみたてNISAとは毎年40万円の投資まで非課税にしてくれる制度です。
通常、株式投資や投資信託といった金融商品には、国から儲けた分(利益)の税金を取られます。税率でいうと20.315%です。
例えば、投資で100万円を儲けた場合、その内、約20万円は国へ納税する必要があるということです。
一方「つみたてNISA」の場合、投資で得た利益が非課税となり、利益をそのまま受け取ることができます。
つみたてNISAは国が「投資初心者向け」に用意した施策です。
投資初心者が投資に対してのハードルを低くするため、毎年40万円という制限はありますが、非課税で投資をできるようにした内容となっています。
利用できる制限も緩く、日本に住んでいて20歳以上であれば誰でもつみたてNISAを開始できます。
また、つみたてNISAの非課税期間は長い(2022年8月時点:最長20年間)です。また投資できる商品は国が指定したものに限られており、その9割以上がインデックス投資です。
ただ国が指定した商品のため安心が担保されている部分もあります。
これらのような仕組みもあり、若年層を中心に、つみたてNISAでのインデックス投資を利用する方が急増しています。
Youtuberの台頭
恐らく政府のつみたてNISAの施策だけでは、ここまでの流行はなかったように感じています。
同じくらいの時期にYoutubeがトレンドとなり、動画で発信する人が増えてきました。そこから金融リテラシーの高い人がつみたてNISAの情報について発信するようになったのです。
政府のHPをよく読んだり、ニュースを頻繁に観る人はいますか。
日常的に触れる機会がないのは当然であり、その代わりをYouTubeが担っていたのです。
投資家の情報収集先として、2019年から2020年の1年で、Youtubeの割合が6.2%→30%に増加としたデータもあるくらいです。
年代別に絞ると20代だと46.2%、投資経験1年以下の初心者でも48.6%にも上ります。
いかにYoutubeが情報収集として手軽かつ有効な手段かというのがおわかりいただけたと思います。
もちろんYoutubeだけではなく、InstagramやTwitter、TikTokなどのSNSが台頭してきたことも理由として大きいです。
ただ情報が多くなってきている反面、質の悪い情報やデマ、間違えなどが発信されるリスクがあるのも事実です。
無料が故ですが、その点正確性を求めるのであれば、有料ではありますが、しっかり校閲(文章の不備を探すこと)されている雑誌や書籍は、信頼できる情報と言えます。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、状況に応じて取捨選択しながら情報収集するのが良いでしょう。
インデックス投資とは
ここまでどうしてインデックス投資が注目されているのか、という点を説明してきました。
では実際にインデックス投資とは
- どういった投資なのか
- 怪しくないか
- リスクはないのか
不安点がいくつもあると思うので、初心者でもわかりやすいように解説していきます。
まず想像してほしいのが「学校のテスト」です。
あなたは普段から勉強をしていないので、テストの点数は30点を上下するばかりで、お世辞にも成績が良いとは言えない状況です。
一方、クラスには成績が優秀な人もいます。その人は普段から熱心に勉強しているのでテストも80点ばかりです。
クラス全体のテストの平均点は60点程度です。
この状況になった時、あなたならどう動きますか?
必死に勉強しますか?
諦めて点数が低い状態でガマンしますか?
もし、優秀な人と同じ80点を目指したいのなら、当然相応の時間や努力が必要です。
ただしテスト平均の60点でも良しとするのなら、割と実現可能な方法があります。
方法としては、60点取れる生徒のカンニングをするだけです。
実際のテストでやったらアウトですよw
ただインデックス投資に関しては、上記のやり方を実践していくのが手法です。例え上、カンニングという極端な表記をしていますが、平均(の人)に便乗するという点では共通しています。
改めてインデックス投資について説明すると、インデックス投資とは、市場全体の動きに連動する指標と連動して投資する手法のことです。
もっとわかりやすく言うと、市場と同じ値動きを目指す投資手法のことです。
先程の例でいうと、
- 30点→あなた
- 60点→インデックス投資
- 80点→プロの投資家
となります。
あなたが、インデックス投資(60点のクラス平均)と同じ動きを取ることで、知識がそこまでなくても同じ平均点を取れるということです。
つまり、プロの投資家(80点)ほどは稼げませんが、投資初心者でも平均点は安定して稼げるということです。
ちなみに有名な話ですが、投資界の神様バフェット氏も、奥様への遺言として「投資資金の内90%は、S&P(インデックス投資)に投資しなさい」と伝えているそうです。
それほどインデックス投資は投資初心者に向いている手法だと言えます。
インデックス投資の基本が理解できたところで、実際にインデックス投資のメリット・デメリットについても紹介していきます。
インデックス投資のメリットデメリット
投資の神様が勧めていたり、参入障壁が低く、投資初心者に向いていると言われても、実際にどんな恩恵を受けられるのか、具体的な部分がわからないと納得できない部分もありますよね。
また当然お金に関わることなので相応のリスクもあります。
実際にメリットとデメリットを見比べていただいて、あなたに合っているかどうかを見定めていただければと思います。
投資初心者にインデックス投資を勧める理由(メリット)
まずは投資初心者がインデックス投資を始める上でのメリットを紹介します。
- 他投資商品に比べて始めやすい
- 運用コストが低い
- 時間を取られない
- 分散投資のためリスクが低い
順に説明していきます。
1.他投資商品に比べて始めやすい
インデックス投資は、1万円前後で投資をスタートできます。なので資本が少ない投資初心者でも、参加しやすい投資商品と言えます。
また右も左も分からない初心者の方は、多方面で情報収集されると思います。
インデックス投資自体が初心者向けということもあり、わかりやすく解説しているサイトや動画が多く、情報を得やすいというのも大きなメリットです。
最初の難関でもある「銘柄選び(どこに投資をするか)」に関しても、プロが厳選した投資先に絞られているので選びやすく、参加しやすい点もメリットとして大きいです。
投資先に関しては「4.分散投資のためリスクが低い」で後述します。
2.運用コストが低い
運用コストで一番気にすべき箇所は「手数料」です。
手数料に関連して、インデックス投資に対をなす投資方法の説明をしておきます。それがアクティブ投資というものです。
インデックス投資が市場全体の平均の指数を追って投資していくことに対して、アクティブ投資は投資のプロが選んだ投資先で運用してもらう投資法です。
プロに依頼するのでその分、アクティブ投資の方が手数料が割高になるのです。
信託報酬として投資信託先へ支払うランニングコストも、インデックス投資の方が安い傾向です。
ここで1つ疑問が生まれてきます。「投資のプロが投資先を選んでくれるのなら、インデックス投資よりもアクティブ投資の方が成績が良いのでは」と。
ただ先述の通り、投資の神様バフェット氏が、アクティブ投資よりインデックス投資を勧めたのにも、ここが関係してきます。
データでもハッキリ出ているのですが、アクティブ投資よりもインデックス投資の方が成績が良いのです。驚きの事実です。
プロでも市場の指数にはかなわないのです。投資初心者が全うに勝負を挑んでいく無謀さも実感できたかと思います。
もちろん、インデックス投資よりも勝ち続けている投資家の方もいます。ただ一握りです。
将来的には、そこを目指していくのも良いでしょう。ただ初心者のはじめの一歩としては堅実に運用していけるインデックス投資をオススメしています。
3.時間を取られない
インデックス投資の特性上、長期投資が基本のため、最初の準備さえ終えれば、放ったらかしが基本です。
どういった準備をするのかという具体的な部分に関しては、また別の記事でご紹介しますね。
インデックス投資の準備が終われば自分の時間がしっかり取れます。
お金を稼ぎたい人は、短期的な投資や副業のための勉強時間を設けられる点もメリットとして大きいですね。
4.分散投資のためリスクが低い
本来の株式投資であれば、1つの投資先(A社)が破産すれば資産も0になります。
ただし、インデックス投資で行う投資信託では、「様々な企業のまとめパック」というイメージになるので、その中の1社が破産するようなことがあってもいきなり資産が0になるなんてことはありません。
市場全体に投資しているようなものなので、そういった意味でもリスクは低いのです。
インデックス投資の投資先としては、S&P500(米国株)か全世界株をオススメしています。どちらも過去から年々右肩上がりで上昇している銘柄なので、「長期で安定した投資運用」という観点からするとピッタリな投資商品です。
デメリット
続いて、インデックス投資を行う上でのデメリットについて解説していきます。
- 個別銘柄に比べると大きなリターンは見込めない
- 短期的な投資には向いていない
1.個別銘柄に比べると大きなリターンは見込めない
個別銘柄は自分で1社を選んで投資するやり方なので、インデックス投資と比べてもハイリスク・ハイリターンです。
上手く成長企業を選べれば良いですが、知識のない投資初心者にはリスクしかありません。
ちょっとしたネガティブニュースでも株価が大きく変動してしまうような世界です。
インデックス投資が長期的な投資で安定した指数を元に運用していく点を考えれば、ローリスク・ローリターンの意味合いもおわかりいただけるかと思います。
ただし個別銘柄もきちんとした知識を持って運用すれば、夢のある投資です。インデックス投資を上手くスタートできたら勉強してみても良いかもしれません。
2.短期的な投資には向いていない
「すぐに(短期的に)たくさん稼ぎたい」という野心の強い方には、インデックス投資は向いていないかもしれません。
先述したとおり、インデックス投資は長期投資が大前提です。よっぽどのビッグニュースがない限りは、短期的に大きく値動きすることはないです。
将来的なお金を蓄える目的のある人に向いている商品です。
まとめ
インデックス投資が投資初心者にオススメできるということをここまで共有してきました。
個別銘柄にしてもFXにしても、今流行りの仮想通貨、NFTにしても、リスクがあるのは変わりません。
あとはそのリスクの許容をどこまで許せるかという部分だけです。人によって持っている資産も違います。
ただ基本これから投資を始めようとする方は資本の少ない方が多いかと思います。
そういった方でも、リスクを抑えてつつ気軽に始められるのがインデックス投資です。
現在は、貯金だけでなんとかなっていた今までよりも経済的に厳しい状況です。
最終的に守ってくれるのは、友人でも会社でも国でもありません。あなた自身です。
まずは少ないリスクで投資にスタートしてみても良いかもしれません。
この記事を読む前よりも
少しでも投資に関して、知識のアップデートができていると嬉しいです。
ではまた。