アルコール摂取による筋肉への影響は?筋肉の分解はされる?

アルコール摂取による筋肉への影響は?筋肉の分解はされる?

社会人になると「飲む機会」が多くなり、友人や上司など、むやみに断れない時ってありませんか。飲みに行ったとしてもお酒を飲まなければ、それも相手に気を使わせて場の空気を悪くすることにも繋がってしまいます。

普段筋トレをしている方からすると、アルコールの摂取は筋肉にどんな影響があるのか気になりますよね。

なんとなく「筋肉が分解されて悪い影響がある」程度の考えを持っている方も多いと思います。

そこで今回はアルコールが及ぼす筋肉への影響や筋肉の分解との関係性について、わかりやすく紹介していこうと思います。

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お酒(アルコール)の摂取は筋肉への悪影響

お酒(アルコール)の摂取は筋肉への悪影響

いきなり結論ですが、お酒(アルコール)の摂取は筋肉に悪影響なので注意が必要です。

お酒を飲むことで、筋肉へどんな影響があるのか、以下まとめました。

  • 太りやすくなる
  • 脱水症状になりやすくなる
  • 睡眠の質が低下する
  • 筋肉が分解される
  • 筋肉の合成が抑制される

アルコールを摂取した後は脂質代謝が73%減少するというデータがあります。よく「お酒を飲むと太る」と言われていますが、こちらもあながち間違ってはいないようです。

摂取したアルコールは、身体で分解するために水分を使います。さらにアルコールの利尿作用によって体内の水分が排出されやすくなってしまい、最終的に脱水症状になりやすくなります。

筋肉には水分が多く含まれているので、脱水症状になると筋肉へ栄養がしっかり行き渡らなくなってしまう危険があるのです。

また筋肉をしっかり成長させるためには質の良い睡眠もとても大事です。

アルコールを摂取すると、身体でアルコールを分解することになります。その過程で発生するアセルアルデヒドという物質の働きにより、レム睡眠の状態が早まり、結果、眠りが浅くなってしまうのです。

眠りが浅くなってしまうことで、睡眠中の成長ホルモンがしっかり分泌されず、筋肉の合成や回復を低下させ、筋肉の成長にも悪影響をおよぼすこととなります。

筋肉分解と筋肉合成の抑制については、この後詳しく紹介します。

筋肉の分解と、筋肉合成が抑制される仕組み

筋肉の分解と、筋肉合成が抑制される仕組み

お酒を飲んでから筋肉分解、筋肉合成の抑制までの流れは以下のようになっています。

  1. お酒を飲む
  2. コルチゾールが分泌&テストステロンが減少
  3. 筋肉が分解される&筋肉合成が抑制される
  4. 筋肉量が減少する

お酒を摂取することでコルチゾールが分泌されます。コルチゾールはストレスを感じると分泌されるホルモンで、血糖値をコントロールしてくれる働きがあります。

そしてエネルギー源となる糖分を作るために、筋肉の分解を促進させてしまう作用もあり、最終的には筋肉量の低下にも繋がってしまいます。俗に言う「アルコールを飲むと筋肉が溶ける」状態となってしまうのです。

さらにお酒を飲むことで、筋肉増量作用のあるテストステロンというホルモンも減少してしまいます。テストステロンは筋肉・骨を形成し、精力などにも関係してくる重要なホルモンです。

よって筋肉の合成が抑制されてしまうということになります。

他にも、摂取したアルコールを分解するためにタンパク質を使われるので、筋肉修復で使えなくなり、筋トレ効果が薄くなってしまう点も注意しなければいけません。

アルコールから筋肉の分解を防ぐ方法

アルコールから筋肉の分解を防ぐ方法

ここまでアルコールの筋肉への影響について紹介してきました。

とは言っても飲みの場を避けることが難しいときもありますし、お酒をどうしても辞められないという人もいると思います。

そんな方が少しでも、アルコールからの悪影響を軽減できるような方法を5つ紹介したいと思います。

1.糖質が少ないお酒を選ぶ

糖質が少ないお酒を選ぶ

一言にお酒と言ってもいくつも種類があります。糖質を含んでいる量もお酒によって変わってきます。

糖質が多く含まれているお酒は以下のものです。

  • ビール
  • 日本酒
  • サワー
  • ワイン
  • カクテル

逆に糖質が少ないお酒だと、

  • ウイスキー
  • ハイボール

が挙げられます。

この糖質が少ないウイスキーやハイボールなどの蒸留酒を選ぶことで、体脂肪の蓄積を防ぐことになります。

また糖質が高いと体脂肪もつきやすくなります。

ですので、揚げ物やおつまみでカロリーや脂質が高いものは取り過ぎに注意が必要です。

2.アルコールの摂取量を減らす

アルコールの摂取量を減らす

当然ですが、アルコールを摂取する量が多ければ多いほど、身体や筋肉へも悪影響です。

摂取量の基準としては体重1kgに対して1g以下に抑えるのが良いでしょう。あるデータでは体重1kgあたり1g以下のアルコール摂取の場合だとテストステロンが増加したケースもあったためです。

わかりやすい基準として、お酒350mlでアルコール度数が7度の場合はおよそ25gのアルコール量という認識で良いかと思います。

先程の糖質が少ないアルコールも加味すると、体重65キロの場合、ハイボール(だいたい7度)を2杯に押さえておくと身体への悪影響も軽減されそうです。

豆知識ですが、お酒の一気飲みは極力減らした方が良さそうです。一気飲みにより速筋が分解されるというデータが出ているためです。

お酒の大量摂取を防ぐためにも、ゆっくりお酒を飲む方がオススメということですね。

3.タンパク質の摂取

水分を多く摂取する

既にお伝えしたように、アルコールを摂取するとアルコール分解のために、大量のタンパク質が使用されます。

ですので飲酒時にも積極的にタンパク質を摂ることをオススメします。

摂取しやすいところで行くと、タンパク質が多い肉類はもちろん、枝豆やチーズ、ナッツ類も良いでしょう。

4.水分を多く摂取する

水分を多く摂取する

アルコールの摂取による利尿作用に注意が必要です。そのためにも多めの水分を摂取すると良いでしょう。

他にも、アルコールを薄めて肝臓の働きを助けることにもなるので、体内にアルコールが残らなくなり、二日酔いを予防することにもなります。

さらに水分を多く飲むことでお腹も膨れるので、お酒やおつまみなどの余分なカロリー摂取の抑制にも繋がります。

5.筋トレ直後の飲酒は避ける

筋トレ直後の飲酒は避ける

飲酒することで筋合成への悪影響は12時間続くと言われています。

ただ筋合成が盛んな筋トレ直後での摂取は、その悪影響をより強くしてしまうので注意が必要です。

まとめ

筋肉とアルコールまとめ

ここまでで筋トレとアルコールの関係について理解していただけたかと思います。

生活している中でお酒を切り離すのは意外と困難なことかもしれません。でも一方で筋肉もつけたいというジレンマもあると思います。

全くお酒を飲まないというのもストレスに感じてしまう人もいると思います。ストレスは結果的に身体にもよくありません。

無理のないペースで、飲酒時の注意点を考慮しながら、筋トレとの両立を図る意識が一番大事かと考えています。

この記事を読む前よりも
少しでも筋肉とアルコールについての知識がアップデートされていると嬉しいです。

ではまた。